周りから見たら何でもないことでも、本人からしたら重要なこと。

久しぶりに小説書いてみました。
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今回はクーガの話。

登場人物に私がいますが、優秀な人物とか、何かしら優れた人物!!
として書くのも嫌なので、何処まで行っても能天気お気楽残念野郎にしました。

ちょっとしたことだったり、周りから見たら大したことないじゃんって内容でも、当事者の本人からしたら深刻なことあるよねって、感じの話です。
……そして、何でもない、何処の誰でも言えるような一言で救われることもあるよねという感じ。相手を慰めるのに理屈はいらないと思っている私!人によって違うんでしょうけれどねw

では、続きから、で始まります。駄文ですのでお手柔らかに……。









スカイハンマーパトリアーク。
一般的にスカイハンマーの部隊に支給されている、スカイハマーゲイルドラゴンの近縁種で、その実、全く別の種族のドラゴン。

……最近わかった、僕の、本当の種族である。


ずっと昔から考えていたことがある。
どうして僕は臆病なんだろう?
どうして僕は売られてしまったんだろう?
どうして僕は勇敢じゃないんだろう?
どうして僕は強くないんだろう?
どうして、どうして僕は……。

僕は、ずっと自分のことを、勇敢なスカイハマーゲイルドラゴンなんだと思ってきた。本当は勇敢なドラゴンなんだから、きっと、きっといつか、……きっと、お姉ちゃんやクリューさんみたいに、クートさんの横で勇敢に、果敢に、僕を引き取って愛情を注いでくれた人に恩返しができるんだって。

……きっといつかそうなるんだって、そう思って生きてきたのに……。

でも、でも違ったんだ。

僕は、勇敢なドラゴンの血なんて引いてなかったんだ。
臆病で当たり前だったんだ。勇敢じゃなくて当たり前だったんだ。
……役に立たなくて、当たり前だったんだ……。



「クーガは種族が勇敢だから、主の背を護ろうとしていたのか?」

心から不思議そうに、首を傾げて尋ねてくる青い巨体。
僕より遅くに生まれたけれども、僕よりもしっかりしているバモーカク、ただみゃーさん。
不安を押し殺すために、背中の羽根を一本一本引きちぎってた僕を見て、相談に乗ってくれたしっかり者。

あの人が主だったから護りたかったんじゃないのか?と、
あの人を護るために強くなろうとしたんじゃないのか?と。

わかってるよ。僕は、クートさんがクートさんだったから、一緒に行きたかったんだ。

でも……。


結局、ただみゃーさんに相談しても、他のドラゴンさん達に聞いてもらっても、僕の心は晴れなかった。




「あー、なるほど。確かに、クーガが悩みそうなことよねぇ……」

毛繕いを止めて耳を傾けてくれている、目の前の紫翼のドラゴン。血は繋がっていないけれども、とっても頼りになる生まれた時からの僕のお姉ちゃん。ククルさん。

いつも、本当に困ったことがあった時、最後に相談するのはお姉ちゃんだった。今回もそう。

「僕は、いらないドラゴンなのかな……」

最後に僕が溢した一言に、一気にお姉ちゃんの眼が細く険しくなる。

「それは、誰かに言われたの?あなたが不要なドラゴンだと?」

「ち、違うよ……。誰かに言われたんじゃなくて……その、僕が……」

その脚の立派な爪で、石畳の床を掻き出したお姉ちゃんを見て、慌てて否定する。昔、僕をからかったドラゴンと大喧嘩した記憶が過る。


その後、地面を見て何かを考えていたお姉ちゃんが一言、クートにも同じ相談をしに行きなさい。と言って、僕は送り出された。
実際に確かめるのが一番早いでしょう?と。
……どういう意味だろう?



お姉ちゃんが翼で指し示してくれた方向に真っ直ぐ行くと、確かにクートさんがいた。
庭に置いてある卵の世話をしているらしいクートさんの後ろ姿を見た途端に、前に進む脚が重くなっていく。

とうとう立ち止まってしまって、話しかけることも出来ずに途方に暮れる。

「あぁクーガ~、どうした?」

俯いていた所に急に声を掛けられ、驚いて声を上げる。顔を上げれば、嬉しそうに小走りでこっちに来るクートさんが見えた。思わず一歩後ろに退いてしまう。

不思議そうに立ち止まったクートさんが、何も話さない僕に向けてもう一度どうしたのか尋ねてくる。
……顔が見れない。眼を見るのが恐い。声を聞くのが恐い。どうしてだろう?あんなに、昨日まで大好きだった人が、今は恐い。どうして?

一言も言葉を発せずに、時間だけが過ぎていく。最初はじっと待っていてくれたクートさんも、今では心配そう顔を歪めている。

……これ以上黙っているわけにもいかない。

僕は話し出した。ただみゃーさん達や、お姉ちゃんに相談した内容をそのまま。

今まで勇敢じゃなかったから。スカイハマーゲイルドラゴンじゃなかったから。これからも、勇敢じゃないかも。強くなれないかもしれないこと。その不安を。
何よりも__偽物の、スカイハマーゲイルドラゴンじゃない僕が、ここにいても、良いのか、どうかが……。

話していく度、声が震える。視界がブレる。目眩がする。自分の声が遠く聞こえる。それに……、
……石畳の冷たい床を思い出す。暖かい掌から手放されて、無造作に床に置かれる寂しさを。離れていく、大事な主人になる筈だった人の気配を感じる孤独を。

「……?クーガが偽物って、何で?別にクーガはクーガなんだから良いんじゃない?」

焦点の合ってなかった視界に、人の顔が見える。遠く聞こえていた耳に、人の声が聞こえる。
さも不思議そうに、全く意味がわからないといった風に首を傾げる、大事な人が……。

「そもそも、調べたらスカイハンマーパトリアークって、ほぼスカイハマーゲイ__おっと」

何かボソボソ呟いているクートさんの胸に、頭を押し付ける。涙が見えないように。嗚咽を必死に押し殺す。泣き声が漏れないように。……泣いてるなんて、きっと情けないから。こんな姿、勇敢じゃないから。

押し付けていた頭を優しく抱き締められる。慰めるように何度も、鎧のない鱗を手が滑っていく。思い出すのは、卵だった頃から優しく抱いてくれた、一人のオーセラ人の記憶。

「……泣いても良いよ。勇敢じゃなくても良いと思う」

「……ッ!」

今度こそ、泣き出した。もう嗚咽を我慢することもなかった。
そうだ、当たり前だった。この人は、僕を捨てたりなんて、する筈なかったんだ__



クートさんと一緒に帰って来た僕の姿を見てか、それを横目に自分の厩舎に帰っていく紫色の翼が、遠くに見えた。

晴れ晴れとした僕の顔を見て、嬉しそうに表情を崩してくれた瑠璃色の巨体が出迎えてくれた。

そして、お腹が減ったーなんて言いながら隣を歩く僕のご主人様は、何事もなかったかのように、いつもの自由な姿をしている。


僕は、クーガ。
勇敢じゃなくて、臆病で、強くもなくて、泣き虫で、スカイハマーゲイルドラゴンじゃないけれど。
クートさんの、パートナードラゴンです。

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